ファーム十勝のブログ

北海道・十勝の小麦粉を中心とした食品通販サイト「ファーム十勝」のブログです。

キタノカオリ物語 Part2

「生産者はなぜキタノカオリを作るのか?」


北海道で栽培されている小麦には春まき小麦と秋まき小麦があります。

春まき小麦は雪が融けた後の4月中旬に播種(種まき)をし、8月上旬に収穫する小麦で代表的な品種に「春よ恋」や「はるきらり」があります。

一方、秋まき小麦は9月下旬に播種をし、雪の下で越冬し、雪融け後にぐんぐん成長し7月下旬に収穫する小麦で、代表的な品種に「きたほなみ」や「ゆめちから」、そして、この物語の主役である「キタノカオリ」があります。

 

一般的な農作物は、春に播種をして秋には収穫するので栽培期間は長くても半年くらいですが、秋まき小麦は播種から収穫までに10か月もかかります。栽培期間が長いということは、生産者にとっても手間がかかり苦労も多いということです。
例えば、2019年の1月から3月の十勝地方は例年に比べ雪が極端に少なく、本来は雪の下で越冬しているはずの小麦も寒風にさらされてしまい、生育に悪い影響が出ることが危惧されました。

雪や雨などの気象条件は、どれだけ科学技術が進歩しても人間の力でコントロールできるものではありません。
それに対応する農業技術が今後も進歩していく可能性は大いに期待されるところですが、生産者が、天候を常に気に掛けながらできる限り適応しようとする、そんな生産者の苦労はこれからもきっと続いていくことでしょう。


キタノカオリは前回(Part.1)でもお話ししたように「雨に弱い」品種です。

それは、「収穫直前に、一定条件の下で雨に当たると穂発芽をしてしまう」ということです。

穂発芽とは、畑に立ったままの小麦の穂から芽が出てくる状態で、酵素活性が高くなり、でんぷんの分解が進んでしまい低アミロになってしまいます(注:低アミロースではない)。

低アミロの小麦は粘度が低く、パンにするのが難しくなり小麦粉としての商品価値が無くなってしまいます。

 

生産者グループ「チホク会」の山川さんにお話を伺いました


このように、栽培の苦労も多く、リスクも高いキタノカオリをなぜ作るのか?
ヤマチュウと小麦の栽培契約を結んでいる生産者グループ「チホク会」の前会長・山川健一さん(芽室町)に話を伺いました。

キタノカオリ物語 山川様


「キタノカオリを栽培して苦労されていることは何ですか?」
山川さん:収穫期の天候による品質管理、天気予報を見ながら収穫のタイミングを決めること、ですかねぇ。


「苦労をしてでも栽培を続ける理由は何ですか?」
山川さん:(収穫を)待ってくれている実需者(パン屋さん等)の要望に応えたいからです。その人たちの、喜ぶ姿が見たいからですね。


「生産者として実需者に伝えたいことは何ですか?」
山川さん:近年、天候不順によりキタノカオリの品質が悪く、生産者として栽培を断念せざるを得ない状況にあり、大変貴重(希少)な品種になりました。大切に使って欲しいと思います。我々、生産者も少しでも多く収穫する努力をします。そんな苦労を消費者の方も噛みしめながら、パンを味わってほしいですね。


「生産者として喜びを感じるのはどんな時ですか?」
山川さん:自分たちが生産した小麦を原料とした美味しい商品(パン)を食べた時、なんとも言えない喜びを感じます。

 


年々、栽培が減少しているキタノカオリですが、弊社では生産者グループ「チホク会」と栽培契約を結び、雨をはじく資材を無償でお配りしたり、わずかながらですが栽培奨励金をお支払いして思いを抱いていただける生産者を応援しています。

このことにより、令和2年収穫予定のキタノカオリの栽培面積を増やしています。


厳しい生産現場の状況を消費者の方にも理解して頂き、生産者をキタノカオリ生産に向ける思いを皆さんと共有したい。チホク会とヤマチュウは「つくる」を「食べる」のもっと近くに、というミッションを実現するためにともに歩み続けていきます。

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キタノカオリ物語 Part.1

キタノカオリ物語 Part.3